200淡黄色温度℃色240褐色280紫色300濃青色350青灰色400灰色表面のきれいなピアノ線や硬鋼線を空気中で低温焼鈍(加熱)すると、200℃位から表面に色が付き始める。この色は、表面が炉内の空気で酸化した時の酸化膜の色である。酸化膜の厚さは0.0005mm程度で耐食性を増すため、防錆油の塗布が必要となる。ばねの焼入れで、重要なことは十分な硬さと焼割れやひずみ発生させないことである。焼入れは、オーステナイト化温度(加熱温度・焼入温度)から急速に冷却して硬化(マルテンサイト組織)させる操作をいう。ばねの焼入れ温度は830~860℃で油冷である。焼入れしたマルテンサイト組織は、引張強さは高いが硬くて脆い状態になっている。焼戻しは、このマルテンサイト組織を焼戻温度に加熱し冷却して安定した組織にする操作をいう。焼戻温度は、鋼種により若干違うが450~540℃の範囲である。焼入温度に加熱した後、500℃以下の適当な温度にまで急冷し、この温度を保持し組織をベイナイトにする処理をいう。焼入焼戻と比べて変形が小さく、伸び絞りじん性が良く、複雑な形状で変形を嫌う薄板ばねの熱処理に好評である。ばね用の析出硬化系ステンレス17-7PH(SUS631)への低温焼鈍で、加熱温度は475±10℃保持時間は60分である。適当な温度に加熱して、その温度に保持した後、徐冷する操作をいう。低温焼鈍は、加熱による酸化皮膜で耐食性の改善と残留応力を減少させる目的で行われている。処理の温度と時間は、ピアノ線・硬鋼線で300~350℃(初張力を要する引張ばね200~250℃)、ステンレス鋼線は350~400℃、オイルテンパー線は300~400℃で、時間は20~30分である。鋼線ばねのテンパーカラーばねの焼入ればねの焼戻し線ばねの低温焼鈍(ブルーイング) オーステンパー析出硬化通常の圧縮ばねや引張ばねと用途が違い、搬出専用のコイルばねである。工作機械に取付けて、機械からでる大小のチップや切粉をコイルの回転により、機械からスムーズに搬送させることができる。コイルのピッチや線の寸法によって、搬送量を調節できるのが特長である。工作機械や産業機械の性能高度化に伴い搬送機の役割は大きくそのニーズは高まっている。自動車のエンジンで吸排気弁の開閉に利用されているばねを弁ばねと言う。耐久性が重要な部品で近年は10年、10万キロメートル保証が一般的になってきている。自動車の低燃費化、軽量化の要請により使用される線材は高強度化、細径化が進んできている。コイル平均径(D)と線径(d)との比で、D/dと呼んでいる。ばね指数Cは、4~15(~22)の範囲が望ましい。Cが大きいと柔らかく、小さいと剛いばねになる。Cが小さいと、コイル内側に応力が集中しヘタリや折損の原因になる。またCは、ばね成形上から大きくても小さくてもコイリングが困難になる。ばね指数 C自動車エンジン弁ばねチップコンベアコイル159
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